Vol.12 週末起業からテイクオフ―本業にするための条件
2008年1月11日
起業にお役立ちのコラムを、コンサルタントが自分の専門分野を活かして解説していきます。起業する人、したい人にとっては、ナレッジの宝庫になるはずです。
【ビジネスの柱を複数持つ】
売上を継続的に維持するには、ビジネスの柱を複数持っておくことも重要です。たとえば、B2Bにもデメリットがあります。1社あたりの依存度が大きくなる分、打ち切られたときのダメージが大きくなるのです。また、導入決定に時間がかかりますが、その間の時間とお金は持ち出しになります。支払いサイトも長くなりますので、資金繰りに悩まされます。さらに、扱い高が大きくなる分、ハイリスクになります。
一方、B2Cのビジネスには、こうしたデメリットを補うメリットがあります。ネットで取引を完結させることが可能ですから、自動化が容易です。お客さんの単価は低いですが、数を集めればある程度の売上になります。たくさんの顧客から小額を集めるビジネスですからリスク分散ができます。仕組みを作れば完全自動化も可能です。
このように、B2B、B2Cどちらの仕事にも、メリットとデメリットがありますから、互い補完させればリスクヘッジができます。また、事業も複数持てばリスク回避が可能になります。
たとえば、コンサルタントなら、プロジェクト単位の契約と顧問契約を組み合わせる、情報商材を販売する、マッチングサイトを運営するという具合に、性質の異なるものを組み合わせることが大切です。飛行機のエンジン同様、事業も一つでなく2〜3つ以上あることが、リスク回避に必要なのです。
【IC(インディペンデントコントラクター)を活用する】
いきなり会社を飛び出して起業することが不安なら、ICという制度を利用することもできます。これは、現在の仕事を継続しながら、会社との雇用契約を一旦解消し、独立した事業者として仕事を発注してもらう形態に変えてもらうことです。これなら、他社の仕事も胸を張ってできます。
会社にとっても、人件費を流動化できるだけでなく、社会保障などの費用が節約できるなどのメリットがあるため、交渉すれば応じてもらえる確率も高いようです。実際、この形態で独立を果たす人も増えてきています。
ただし、過信は禁物です。現実には、会社の都合で仕事を打ち切られたり、かつての同僚の態度が手のひらを返したように代わり我慢できなくなったりと、見込み違いになるケースも多いようです。あくまでも経過措置として考え、独自で獲得する仕事の割合をできるだけ増やしておいた方がよいでしょう。
【自分を信じて決断、行動できるか】
本来、現在会社に捧げている時間をすべて週末起業に投じて増やせる収入が、会社を辞めることで失う給与を超えるなら、退職は合理的と言えます。しかし、人間の感情がその合理的判断を鈍らせます。よくあるのが、現在の成功がいつまで続くかわからないために、不安で行動が起こせないというものです。
しかし、永久に保証された成功などありえません。できることは、将来の見通しを予測し、必要なリスク回避の措置を講じた上で決断し、あとは自分の決断を信じて行動することだけです。これこそが経営者の仕事であり、これができることが経営者の資質です。むやみにリスクを避けているうちは独立をお薦めしません。経営者としての資質があなたに備わっていること、これが週末起業を本業にする上で一番大切なことなのです。

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ナビゲーター:藤井 孝一

お名前:藤井 孝一
経営コンサルタント。バブル時代に就職した会社で12年間サラリーマンを体験。その中で、転勤、減俸、リストラ危機を体験し、自力で稼ぐことの必要性を痛感、「稼ぐ力」の習得に勤しむ。試行錯誤を繰り返しながらも、何とか自力で食べていく道を確立し、独立開業に成功する。その体験を赤裸々に綴った『週末起業』(筑摩書房)は、日本中のサラリーマンから共感と賞賛を受け、ベストセラーとなる。現在は「日本を起業家で溢れる国にする!」という志を掲げ、ビジネスパーソンのための起業教育に奔走中。近著に『なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか?』(明日香出版)












