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Vol.12 週末起業からテイクオフ―本業にするための条件

2008年1月11日

起業にお役立ちのコラムを、コンサルタントが自分の専門分野を活かして解説していきます。起業する人、したい人にとっては、ナレッジの宝庫になるはずです。

週末起業に取り組んでいる人も、多くは「いつかは独立」という意識で取り組んでいます。実践者に対するアンケートでも、週末起業の目的として「独立の準備」をあげる人は多く「やりがい、生きがい」に次ぐ第2位となっています。ここで、週末起業で始めたビジネスを本業にするにはどんな条件が必要で、どんな見通しを立てれば可能かを解説します。

【自分の生活コストをまかなえることが必須】

週末起業のビジネスを本業にするには、売上をある程度の規模にし、それを継続させる必要があります。そもそも、週末起業も会社を辞めずにはじめる点こそユニークですが、それ以外はふつうの起業と変わりありません。違いがあるとすれば、最低限必要な規模です。

週末起業は生活費を給与でまかなえますので、月商数万円でも成り立ちます。しかし、会社を辞めれば給与所得を失いますので、自分のビジネスだけで生活を維持しなければならなくなります。生活に必要な金額は人それぞれです。まず自分の必要生活コストを正確に把握し、次に自分のビジネスがその金額を継続的に稼ぐ見通しがあるかどうかを冷静に見極めことです。

【「月商50万円のカベ」がある】

業種にもよりますが、月商50万円程度を独立の目安とする人が多いようです。週末起業実践者中、月商50万円を超える人は、およそ1割です。順調に成長してきたビジネスも、なぜか月50万円の手前で失速します。われわれはこれを「月商50万円のカベ」と呼んでいます。50万円のカベを超えられない原因の一つは時間不足です。週末起業家の稼働時間は月100時間以下ですが、その制約下でできるのが月50万円くらいなのです。

私自身、経営コンサルタントという、比較的時間単価の高い仕事をしていましたが、週末起業時代は月50万円で頭打ちになってしまいました。しかし、このカベを乗り越える人もいます。違いはどこにあるのでしょうか?カベを超えられない人は、業務の大半をすべて自分一人で切り盛りし、結果的に時間を切り売りしています。

たとえば、Webの制作をしている人が、営業も制作も自分で行っているケースです。これでは、自分の時間以上に仕事を請けることができず、忙しい週末起業では売上がすぐに頭打ちになります。

【時間を買う投資をする】

反対に、売上を伸ばす人は自分の時間を切り売りしません。たとえば、自分は営業に特化、制作や請求業務は外注スタッフやアルバイトにやってもらうという体制を作っています。こうれば、時間不足を理由に仕事を断る必要がなくなります。つまり、売上を伸ばす人は、時間を買う投資をしているのです。具体的には、アルバイトや外注に頼む、システム投資で業務を自動化するなどが一般的です。

もちろん、独立すれば稼働時間は増えますが、時間不足を理由に独立するのは危険です。売上が自分の稼働時間に比例しているうちは、ビジネスが頭打ちになるのは目に見えているからです。売上欲しさに寝る間や休日を犠牲にして、病気やケガで働けなくなれば、売上はゼロです。

しくみをつくり、自分の稼働時間とは無関係に売上を伸ばせる体制を作っておくことこそ、週末起業を本業にする前にやっておくべきことです。

【単価の高い仕事をする】

もう一つ、売上を飛躍的に上げる方法として紹介したいのが、単価の高い仕事の割合を増やすことです。典型的な方法は、企業や団体の仕事(B2B)を請けることです。個人向けにセミナーを開催している人が、大企業の社内研修を引き受けるというのはその具体例です。企業は一度受注すると同じ会社に仕事を出すことが多いので、継続的な売上にもつながります。

ところが、週末起業家はB2Bの仕事が苦手です。理由は、日中活動できないからです。企業の仕事は担当者との打合せなどが必要です。電話も頻繁にかかってきます。時間は平日の9時〜5時、いわゆるビジネスアワーですから、会社の仕事と両立させにくいのです。

しかし、こうしたB2Bにまつわる問題を工夫してクリアした週末起業家は、飛躍的に売上を伸ばします。たとえば、夜間や週末を活動の主体にできる業種や業態に絞る、自分が週末起業家であることを明かし夜間や週末限定の活動を承諾してもらう、日中活動できる人と組むなどの方法があります。

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  • 森英樹さん
  • ナビゲーター:藤井 孝一

    お名前:藤井 孝一
    経営コンサルタント。バブル時代に就職した会社で12年間サラリーマンを体験。その中で、転勤、減俸、リストラ危機を体験し、自力で稼ぐことの必要性を痛感、「稼ぐ力」の習得に勤しむ。試行錯誤を繰り返しながらも、何とか自力で食べていく道を確立し、独立開業に成功する。その体験を赤裸々に綴った『週末起業』(筑摩書房)は、日本中のサラリーマンから共感と賞賛を受け、ベストセラーとなる。現在は「日本を起業家で溢れる国にする!」という志を掲げ、ビジネスパーソンのための起業教育に奔走中。近著に『なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか?』(明日香出版)