Vol.7 「稼ぐ力」は、「他人事」ではない
2008年2月1日
会社を辞めても食べていく力をつけておく具体的な方法を明かして、解説していきたいと思います。「起業」を皮切りにして、他にも様々な方法を検討、追求していきます。
「稼ぐ力?自分には関係ない」という方に、怖いお話をしましょう。サラリーマンを経てホームレスになった人たちの話です。彼らの話を知れば、路上生活は他人ごとではないことがわかります。落ちるときは、あっという間です。就職エリートであろうと、途中まで順調に出世していた人も関係ありません。
彼らが転落する道筋は、驚くほど似ています。きっかけは、リストラや倒産、人間関係のもつれです。会社から追い出されると、家族の生活費や住宅ローンの返済のために、慌てて働き口を探します。
しかし、30代を過ぎれば、よほど専門性や実績の高い、いわゆるプロフェッショナルと呼ばれる人でない限り、安定した職を見つけることはできません。そもそも、職を失った時点で、そのような人材でない可能性が高いですから、なかなか仕事は見つかりません。
やがて、失業保険の受給期間が終わります。やむなく家族を働きに出し、日雇いの仕事を始めます。住宅ローンが払えなくなり、マイホームを手放す人もいます。
そうなれば、円満だった家庭でもいさかいが多くなります。やがて、家族が家を出るか、家族の言葉にかんしゃくを起こして自分が家を飛び出します。こうして、家族を失い、家を失い、路上生活が始まります。あとは日雇い仕事の毎日です。病気をすれば、日雇い仕事さえままならなくなります。こうなると、はい上がることは容易ではありません。
仕事を失うと、家族を失い、家を失い、健康まで失ってしまう、これがサラリーマンからホームレスに転落する人の、一般的な姿です。
彼らには、共通点があります。それは「食べること=雇われること」という発想から抜け出さないことです。どれほど採用担当者から冷遇されても、職探しに明け暮れてしまうのです。なぜ、自力で稼ぐという発想に至らないのでしょう?おそらく経験がないからです。また、準備をしていないからです。
緊急事態に陥れば、手段は選んではいられませんから、それまでの経験則から一番確実と思われる手段で稼ごうとするのです。しかし、職を探すという方法は、確実ではありません。やがてそのことに気が付きますが、その時にはすべてを失っています。
いざというときのために、雇われなくても稼げる力を身につけ、備えておくことが、あなたと、あなたの家族を守るために、一番大切なことなのです。
なお、この稼ぐ力、リストラに備えたい人だけに必要な力ではありません。転職を目指す人、今の会社で出世したい人など、ビジネスの世界で生き抜こうと考える人には、誰にとっても必要です。
どこの会社でも、今や「プロフェッショナル以外欲しくない」というのが常識です。プロフェッショナルでないなら、非正規雇用社員で十分だからです。
では、どのような人材がプロフェッショナルかと言えば、それは、ズバリ稼ぐ社員です。厳しい時代にあって、会社が求めるのは、キャッシュを生み出す社員です。少なくとも、誰かの稼ぎにぶら下がる人でないことだけは間違いありません。
前の記事へ <

-
ナビゲーター:藤井 孝一

お名前:藤井 孝一
経営コンサルタント。バブル時代に就職した会社で12年間サラリーマンを体験。その中で、転勤、減俸、リストラ危機を体験し、自力で稼ぐことの必要性を痛感、「稼ぐ力」の習得に勤しむ。試行錯誤を繰り返しながらも、何とか自力で食べていく道を確立し、独立開業に成功する。その体験を赤裸々に綴った『週末起業』(筑摩書房)は、日本中のサラリーマンから共感と賞賛を受け、ベストセラーとなる。現在は「日本を起業家で溢れる国にする!」という志を掲げ、ビジネスパーソンのための起業教育に奔走中。近著に『なぜあの人は会社を辞めても食べていけるのか?』(明日香出版)












