第13回 週末起業はネタが命!
2008年2月8日
「会社を辞めず」「お金をかけず」に、「起業」する!その、ノウハウをお伝えします。
12.市場調査をしてみる
ここまで来たら、一度立ち止まって、市場調査をしてみましょう。調べることは次の2つです。
・他にやっている人はいるか?
・こんなモノ買う人はいるのか?
市場調査というと大げさですが、まずインターネットの検索エンジンを使ってみましょう。
試しにあなたはキーワードに「釣り教室」と入れてみて検索をしてみます。するとびっくりするくらいたくさん出てきました。あなたは少々不安になりましたが「どれも大人向けだろう」と思い直し「親子釣り教室」と入れてみます。ところがそれでも大勢の同業者がいることがわかりました。
ここであなたはすっかり意気消沈してしまいます。自分では「斬新だ!」と思っていたビジネスに、すでに大勢のライバルがいることがわかったからです。しかし、ここで明らかになったことが一つあります。
それは、もう一つの疑問「こんなモノ買う人はいるのかな?」と言うことに対する答えです。ライバルがたくさんいることは「買う人がたくさんいる」ことを意味します。つまり、親子で釣りを楽しむ市場はあるのだということがわかったのです。
あなたは、一度インターネットを離れて親戚や学生時代の友人などにも聞いてみます。すると意外なことがわかりました。実は、小さなお子さんのいるお父さん達の多くは、休日、子どもとどのように過ごしたらいいのかわからないのと思っているのです。特に都会に住む親は、休日は子どもを自然とふれ合わせたいと考えています。
ところが肝心のお父さんは、何をしたらいいのかわからず困っています。なにせ都会育ちのお父さんは、自分が自然にふれたことがないのです。釣り好きのあなたには信じられないでしょうが「釣り針にエサをつけたことがない」お父さんもたくさんいるのです。
調べると最近のリゾートはこうした事情を熟知していて、道具や段取りをすべて用意した「夏休みカブトムシ採集ツアー」や「親子釣り体験」などのプログラムを開催、大いに受けていることもわかりました。市場は十分ある(お客はたくさんいる)のです。ただ、問題はライバルが多すぎるということです。
13.どうやって?を決める
実は、もう一ひねり加えることで、ネタをさらに増すことができます。「“何を”“誰に”提供するか?」に加えて「“どうやって”提供するか?」を考えるのです。
例えば、“釣り方”を“子持ちで初心者のお父さん”に伝えるにはどんな方法があるでしょうか?釣り場に生徒を集めてレッスンするスタイルには多くのライバルがいます。しかしあなたはそれ以外の方法として次のようなやり方もあることに気付きます。
・メールで送る
・小冊子にまとめる
・ホームページで提供する
・セミナーを開催する
・録音してテープやCDにして売る
・実演してビデオに撮り、販売する
あなたはこれらを組み合わせてパッケージ化し、双方向のやりとりを加えて、通信教育にすることを思いつきます。釣りが大好きで、教育関連の出版社にお勤めのあなたですから、このあたりはお手のものです。
こうしてあなたは「小さなお子さんがいるお父さんが、休日子どもと釣りを楽しむためのノウハウをまとめた教材を開発、通信教育として売り出しました。釣り方といえば、どこにでもありそうですが、初心者向けということで、いわゆる常識にも丁寧に解説を加えます。
また小さな子どもがいるということで子どもにも簡単に釣れる魚を選定し、文字よりビジュアルを増やすなどの工夫をしてあります。さらに小さな子どもが安全に楽しめる釣り場の情報も盛り込んであります。
この教材は、インターネットと口コミで広がり、安定的に売れるようになりました。「堤防釣り編」からはじまって「川釣り編」「湖釣り編」「磯釣り編」「海外編」と次々に商材を展開する予定です。
また、こうした商売を通じて知り合った仲間も増えました。今、彼らと一緒に親子釣り体験ツアーなども企画しています。これは、一度はライバルが多いという理由であきらめていたビジネスにちかいものです。しかしここで再再検討しているのは、やはり「お客さんと実際に対面でふれ合いたい」という思いが捨てきれないからです。
もちろん今のあなたは、起業前のあなたとは違います。あなたの教材で釣りを覚えた人は、他のスクールではなく、あなたとでかけるツアーに参加したいと考えるからです。その点で、今ならライバルに大きく差を付けることができるのです。
14.まとめ
以上、モデルケースにあげて説明してきました。要するに「ネタ出し」とは「何を、だれに(どうやって)提供するのか?」を考えることなのです。その時、何を、誰に、(どうやって)のそれぞれについてできるだけ多くのアイデアを出してみます。あとは、そのそれぞれについていろいろな組み合わせを考えてみます。
そうしてできあがったモノが、あまりにもありきたりだったり「こりゃお客がいないよなぁ」と思えたりしたら、その3つのうちのどこかにひねり入れてみます。それだけで、ありきたりのネタが斬新なもの、誰もやっていないものになるのです。

-
ナビゲーター:藤井 孝一

お名前:藤井 孝一
経営コンサルタント(中小企業診断士) 「日本を起業家で溢れる国に!」をライフワークに奮闘中。会社を辞めずに起業する「週末起業」という起業スタイルを発案、この起業スタイルを全国に普及すべく「NPO法人週末起業フォーラム」を設立。ビジネスパーソンの起業教育を行う。(株)アンテレクト代表取締役社長。著書はベストセラー「週末起業」(筑摩書房)












