第13回 週末起業はネタが命!
2008年2月8日
「会社を辞めず」「お金をかけず」に、「起業」する!その、ノウハウをお伝えします。
9.誰に?を決める
次にもう少しビジネスに近づけるために、すでに考えた「売る“もの”」を「“誰に”(どんな人たちに)売るのか?」考えます。こうすることでネタをより具体的にできます。例えば、あなたは先ほどのネタの中からとりあえず「釣り教室をやってみようか」と思うようになりました。
これなら自分が大好きな釣りを人に教えながら、大したリスクもなく始められ、そこそこお金が稼げそうだと思うからです。最近は健康志向の高まりもありアウト・ドアが人気で、時流にも乗っています。では、一体これをどんな人に提供すればいいのでしょう?こう言われてあなたが思いついたのが、次のようなお客さんたちです。
・子ども
・学生
・サラリーマン
・お年寄り
・女性
・地元の人
ここで気を付けなくてはならないことがあります。それは、大人・子ども、男性・女性と言った発想だけでは、斬新なアイデアは出てきにくいということです。上にあげた例を見ると単に年齢層や仕事を並べただけで、少しもおもしろくありません。まるでローンの申込用紙やアンケートの記入用紙のようです。
実は、これはマーケティング力のない企業が犯しがちな間違いなのです。例えば安直な企業は、新商品が登場して世の中にほぼ行き渡り、「売れなくなってきたな」と感じると、すぐに「レディス市場」なるモノを思いつきます。既存の商品を「女性向け」にすれば今度は女性が飛びつくだろうと安易に考えるのです。
記憶に新しいところでは、インターネットが登場して雨後のタケノコのようにショッピングモールやメールマガジン発行スタンドが登場したときのことです。先行グループと差別化しようということで、女性向けのショッピングモールや、女性向けメールマガジン発行スタンドなるビジネスがうようよと登場しました。
しかしそのほとんどが消滅しました。結局、この世にそんなものを求める女性はいなかったわけです。考えてみれば、一口に女性と言っても、女子大生もいれば、定年退職したご主人のいるご婦人もいます。小さなお子さんのいる女性もいれば、キャリア・ウーマンもいます。
それぞれ特有の趣味や好みがあり、暮らし方があり、そして何より財布のヒモのゆるみ具合が違います。それを無視して「女性」の一言でお客さんをひとくくりにしたつもりになってはいけません。
10.対象にするお客さんにひねりを入れる
そう言われたあなたは「それもそうだな」と思い直し、自分のあげた項目を見直します。そして次のような項目をひねり出します。
・子持ちの人
・初心者
・サラリーマン
・在日の外国人
・旅行者
・都会生活者
これだけ出してみて、あなたはふとそれぞれのお客に相反する人たちがいて、対象をさらに追加できることに気付きました。例えば、次のように。
・子持ちの人 → 子無しの人
・初心者 → 中級者、上級者、マニア
・サラリーマン → 経営者、起業家
・在日の外国人 → 外国からの旅行者
・都会生活者 → 田舎に生活する人
さらに、これらを組み合わせることでさらに対象を増やすことができそうです。
・子持ちの → 初心者
→ サラリーマン
→ 在日の外国人
→ 都会生活者
このように組合せを変えていくことで対象となるお客さんをいくらでも増やせることがおわかりいただけると思います。
11.顧客を拡げるとネタが生まれる
ところで、ここまでのご説明でお気づきでしょうか?実は、このように対象となるお客さんを拡げていくことは、新たなネタを生み出すことになるのです。例えば、あなたは「“何を”売るか?」の段階で、釣り教室をやりたいと言っていましたが、これを“誰に”に提供するのかによって、それぞれが全く異なるビジネスになるのです。例えば、次のような具合です。
・子持ちの初心者向け釣り教室
・子持ちのサラリーマン向け釣り教室
・在日外国人向け釣り教室
・都会生活者向け釣り教室
こうすれば、釣り教室という一見ありきたりのネタをいくつもの新しいビジネスにすることができます。
最初は「釣教室なんて、ありきたりだなー」と思っていたあなたも、「小さなお子さんがいる釣り初心者のお父さん・お母さん(子持ちの初心者)のための釣り教室なんていうのは、あまり聞かないし、面白いかも」と考えるようになりました。
そしてこのアイデアがすっかり気に入りました。まず週末起業を始めるきっかけとしてはちょうどいいと思えます。また自分の教育産業で働いてきたキャリアも活かせそうです。さらに自分の子どもと一緒にやることで、子どもとふれ合う時間を犠牲にする必要もありません。
そして、なんと言っても三度の食事より好きな釣りをビジネスにできるのです。「コレしかない!」と思いました。

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ナビゲーター:藤井 孝一

お名前:藤井 孝一
経営コンサルタント(中小企業診断士) 「日本を起業家で溢れる国に!」をライフワークに奮闘中。会社を辞めずに起業する「週末起業」という起業スタイルを発案、この起業スタイルを全国に普及すべく「NPO法人週末起業フォーラム」を設立。ビジネスパーソンの起業教育を行う。(株)アンテレクト代表取締役社長。著書はベストセラー「週末起業」(筑摩書房)












