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Vol.119 代行サービスの価格設定の考え方は?

2008年8月06日

起業に関する「なんで?」「どうやるの?」といった疑問を、何でもズバリと解決します。

■質問:
週末起業ネタとして、ある業務の代行サービスを思いつきました。ですが、料金設定について迷っています。どのように考えたらよいでしょうか?

■回答:
週末起業フォーラムでは、商品には4つのパターンがあると教えています。すなわち「モノを売る」「ワザ・スキルを売る」「知識・情報を売る」「場・ネットワークを売る」です。

これらのうち、「ワザ・スキルを売る」商品は、いわゆる代行ビジネスと考えるとわかりやすいでしょう。ですが、その価格設定については、次に挙げる点を考慮しておかないと、忙しいばかりで儲からないということになってしまいます。

まずは自分の人件費です。いくら時給が欲しいかを考えて、サービス提供に必要な時間数を掛ければ、代行サービスの原価を算出できます。

次に、毎月固定的に発生する費用を十分にカバーできるだけの粗利益は、どれだけ必要かを考えます。具体的にはレンタルサーバーの利用料金などが該当します。月あたり、どれくらいの仕事を受注するかを想定し、仕事の件数等でその費用を割ると、価格に載せるべき金額を算出できます。

また、ビジネスを立ち上げるためにかかったお金についても、どれくらいの期間で回収するかを想定して、価格に上乗せする必要があります。ホームページ制作を外注した場合の費用や、あるいは制作に費やした時間数に自分の時給を掛ければ、回収すべき金額を算出することができます。

これらだけで十分でしょうか? そうではありません。広告宣伝費を見込む必要があります。最初のうちは、自分のメルマガやブログで宣伝するでしょうから、それらのための自分の人件費が広告宣伝費になるでしょう。とは言え、はじめからそれらがカバーできるほど儲けられるケースは多くありません。

ですので、まずは自分の商品をアフィリエイトで販売(委託販売)するケースを考えてみましょう。例えば価格が1件あたり5千円ならば自分の時給をカバーできるとします。

ですが、それはギリギリの数字です。誰かが代わりに売ってくれたとすれば、謝礼や販売手数料を払う必要があります。仮に千円払うとすれば、手取りは4千円となり、希望時給を下回ってしまいます。

そうなると、他の人に販売してもらわず、常に自ら直接販売するか、希望時給を下回る収入で我慢しなければならなくなります。前者ですとビジネスは大きくなりませんし、後者ですと、忙しいばかりであまり儲からない、ということになります。

さらに考慮すべきは、代行サービスの「下請け」を使うことです。すべてあなた自身が代行サービスを引き受けていたのでは、時間の切り売りになります。できればビジネスオーナーを目指しましょう。問題は「下請け」にいくら払う必要があるかということです。

あなたが1件あたり5千円欲しいのなら、「下請け」を引き受けてくれる人も、本来なら、同じ金額が欲しいはずです。ですが、同じ金額を払っていたのでは、稼ぎは全くのゼロになってしまいます。

価格設定にあたっては、「下請け」に支払う分を考慮する必要もあるのです。あなたが安く販売し過ぎると、「下請け」の引き受け手をみつけることが非常に難しくなります。たとえみつかったとしても、質の高い人を確保することは、容易ではないでしょう。

広告宣伝費や、外注に回す場合の費用を計算に入れておくことの大切さ、おわかりでしょうか。さらにもちろん、再投資に回すための利益を上乗せしておくことも必要です。

買い手の立場になれば、安く販売することが喜ばれることになります。ですが、売り手の立場になればそうも言っていられません。それが消費者と起業家・経営者との発想の大きな違いです。

もちろん、ビジネスモデルを工夫して、安く販売してシェアを多く獲得するのに越したことはありません。また、販売件数が増えれば販売単価に上乗せする費用を低減することも可能でしょう。最初は安く始めて、徐々に値上げをしていくこともあり得ます。

いずれにせよ、上記のような費用を価格設定の際に考慮しておくことは、絶対に不可欠です。それを踏まえた上で、適正売価はいくらなのか、慎重に考えてみてください。

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  • 森英樹さん
  • 回答者:森英樹

    お名前:森英樹
    戦略経営コンサルタント、ビジネスコーチ
    急成長中堅企業で最年少事業部長を経験した後、その優れた経営センスとシステム感覚を活かすべく、コンサルタントに転身。スキルアップと自立を目指す個人を対象としたサービスに着目し、戦略経営コンサルティングで培ったノウハウを活用してコーチング及び起業支援事業に取り組む。(株)アンテレクト取締役副社長。
    著者は「起業のネタ!」他。